不眠症に睡眠不足、調査からわかる日本人の睡眠の状態とは?
日本人の睡眠環境が悪化して、不眠症や慢性的な睡眠不足の状態が続いていると言われていますが、実際にどんな感じなのでしょうか。
今回は東京西川とアサヒグループ食品株式会社が行ったアンケート調査の結果からわかる日本人の睡眠状態について解説します。
睡眠負債という言葉が話題になるように、睡眠に満足感を感じている人の割合が少ないことが明らかになっていますよ。
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日本人の半分が睡眠不足で7割が不満を持っている
東京西川の睡眠白書2018という10,000人を対象に行った調査で明らかになったことですが、日本人の約半数が国際基準に照らし合わせて不眠症の疑いありと判断される状態だそうです。
20代は特に不眠症の疑いが強く、30代、40代と年齢が上がるほどに不眠症の疑いが減少し、60代や70代になると一気に不眠症の疑いが減少します。
この調査でわかった傾向のひとつに、不眠症の疑いは睡眠時間では測れないということであり、睡眠障害のない人と不眠症の疑いがある人の睡眠時間は36分しかないということ。
日本人の睡眠に関する問題は、睡眠時間を増やすこと以外にも考えなければならないことがあるということでしょう。
ただ平均睡眠時間は6時間44分で7時間にも満たない状態ですので、睡眠時間を増やすことも非常に大切なことは間違いありません。
睡眠に最も不満を持つのは男性も女性も40代!
睡眠の質がどうなのかという質問を年齢別に行ったところ、最も不満が多かったのは男性も女性も40代という年齢。
40代の75%以上が睡眠の満足できていないと回答しており、全年代で最も満足感が低いと考えられます。
特に40代男性の睡眠に対する不満が最も高く、76.9%もの人が満足な睡眠を得られていない状態であることがわかりました。
働き盛りで子育て世代の40代は、相対的に睡眠に満足できていないこと。
これは労働生産性や子育てにも悪影響を与える可能性があることですので、早急に改善した方が良い問題でしょう。
睡眠時間に満足しているのはわずか35%しかいない
睡眠時間に対する満足度も、40代が男性も女性も最も少なく、子育てから開放される60代以上になると急激に改善されます。
全年齢を合わせても現在の睡眠時間に満足している人はわずか34.9%でしかなく、65%ほどの人はもう少し寝たいと感じている様子。
ただ睡眠時間に対する満足度として、かなり足りないか眠れないと答えた人は33.2%だったので、もう少し寝ることができれば満足するのかもしれません。
男性は仕事が原因で睡眠時間が削られ、もう少し寝たいという願望を叶えることが難しく、女性の方が自由度が高いと思われがちですが、子育てママに限定すると状況は変わります。
仕事をしている女性と子育てママの1日の時間を調べてみると、仕事をすると自由時間が平均で15%も減少するのに対し、睡眠時間の満足度は9%しか変わらず、育児が睡眠に強い影響を与えていることがわかります。
ただあくまでも今回の調査結果ですので、働く女性と育児中の女性の生活と睡眠の関係性については、さらに研究を重ねる必要があるでしょう。
日本人の約8割が寝起きに睡眠不足と感じている!
こちらはアサヒグループ食品株式会社が働いている20代〜50代の男性と女性の睡眠に関する意識調査&実態調査をまとめた結果です。
この調査でわかった最も衝撃的なことは、寝起きの睡眠不足を全く感じない人がわずか13.1%しかいないということ。
残りの8割以上の人は、寝起きに睡眠不足やもう少し寝たいと感じているにも関わらず、実際に睡眠に対する対策をしていない人が74.3%もいるということ。
ほとんどの人が睡眠に満足していないにも関わらず、その状況を放置していることで睡眠不足が改善されずに、睡眠負債を引き起こす要因になっているようです。
実際の睡眠時間で言うと、
東京西川の調査よりも少なく、平均睡眠時間は6.2時間で本人の考える理想的な睡眠時間よりも2.3時間も少ない状況だということ。
これでは慢性的な睡眠不足になるのも当然ですし、その状態が改善されずにやり過ごされてしまうのも、仕方がないこととしかいえません。
睡眠不足を感じている中でこれから対策を行おうという人はどのような睡眠アイテムを導入しようと考えているのでしょうか。
睡眠に不満を感じる30代が注目する睡眠アイテムは?
この調査で最も睡眠に不満を感じていた30代が注目している睡眠アイテムは、
- 「快眠枕」(25.5%)
- 「睡眠サプリ」(16.5%)
- 「マットレス」(16.0%)
という順番でした。
快眠枕にマットレスなど、やはり寝具を根本的に改善することが有効的な睡眠対策であるということは多くの人が認識していることがわかります。
しかし実際に睡眠対策を行っている人の状況を見ると、理想と現実の違いが明らかになりますので、この点も紹介しておきましょう。
睡眠対策を行っている人の月間の支出は5000円未満
実際に睡眠改善のための支出を行っている人は、全体の44.1%ほどでしかなく、その金額も5000円未満が88.3%と最も多い状態です。
睡眠サプリを定期的に書い続けているのか、快眠枕やマットレスなどの寝具に対する出費がローンなどで毎月5,000円以下なのかまではわかりません。
しかし実際に睡眠対策を行っている人でも、そこまで費用をかけずに行っているというのが現状のようです。
ただ睡眠時間を増やすという根本的な解決方法を実践するためには、本来は費用がかからないものなので、意識だけでも良いのかもしれません。
いずれにしても、多くの日本人が睡眠に対して不満を感じて、それを解決できないでいるということは、この調査でも明確になったことと言えるでしょう。
不眠症に睡眠不足、統計からわかる日本人の睡眠の状態の記事まとめ
実際の調査結果からも日本人の慢性的な睡眠不足が確認されましたし、睡眠に対する満足度の低さもわかったでしょう。
睡眠負債に悩んでいる日本人が多く、根本的な解決方法をみつけることができずに、そのまま放置しているという状況がわかりました。
睡眠に関する不満や悩みを解消するためにも、まずはどのように睡眠時間を確保するのか?また睡眠の質をどう向上させるのか?
この2点についてしっかり考えて、実際の対策を講じていく必要があるでしょう。
東京西川の調査結果を元にすれば、睡眠の質を高める方法を実践することで不眠症の疑いを改善できるということです。
そのためにも寝具選びについて、もう少しだけ真剣に考えてみても良いのかもしれませんね。